【令和4年4月1日から】育児・介護休業法改正されます~準備はできていますか?~

以前、当法人の記事にて、育児・介護休業法改正関連についていくつかお話させていただいています。
【令和3年6月12日更新】令和4年4月以降の育児休業に関する法律、どう変わる??
【令和3年9月1日施行】育児休業給付金 みなし被保険者期間の計算方法の改正
令和4年10月以降、育児休業給付を分割して受けられるようになります
こちらのお話をもう一度、まとめてお話したいと思います。


1⃣改正のポイント
①男性の育児休業取得促進のための子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設 【令和4年10月1日施行】
②育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け 【令和4年4月1日施行】
③育児休業の分割取得 【令和4年10月1日施行】
④育児休業の取得の状況の公表の義務付け 【令和5年4月1日施行】 
⑤有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和 【令和4年4月1日施行】


◇男性の育児休業取得促進のための子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設◇

  現行 改正
対象期間、取得可能期間 原則:子が1歳(最長2歳)になるまで 子の出生後8週間以内に4週間まで取得可能
申出期限 原則:1か月前まで 原則:休業の2週間前まで※1
分割取得 原則:分割不可(パパママプラスにて再度取得あり) 分割して2回取得可能
休業中の就業 予定した就労不可 労働者の意に反したものとならないよう、労使協定を締結している場合に限り、労働者と事業主の合意した範囲内で、事前に調整した上で、休業中に就業することを可能とする。※2

子の出生後8週間以内に4週間まで取得することができる柔軟な育児休業の枠組みを創設。
※1 ただし、職場環境の整備などについて、今回の制度見直しにより求められる義務を上回る取組の実施を労使協定で定めている場合は、1か月前までとしてよいとされています。
※2 具体的な流れ:労働者が就業しても良い場合は、事業主にその条件を申出
  →事業主は、労働者が申し出た条件の範囲内で、候補日・時間を提示→労働者が同意した範囲で就業
  就業可能日等の上限(休業期間中の労働日・所定労働時間の半分)が設けられる予定


◇育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け◇
①育児休業の申出・取得を円滑にするための雇用環境の整備に関する措置(現行:環境整備に関する規定はなし)
・新制度及び現行育児休業を取得しやすい雇用環境の整備の措置を事業主へ義務付け
・具体的な内容は、研修、相談窓口設置等の複数の選択肢からいずれかを選択
 1.育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施
 2.育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備等(相談窓口設置
 3.自社の労働者の育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供
 4.自社の労働者の育児休業・産後パパ育休制度と育児休業取得促進に関する方針の周知
・環境整備にあたっては、短期はもとより1か月以上の長期休業の取得を希望する労働者が希望する期間取得できるよう事業主が配慮することを指針において示される予定
②妊娠・出産(本人又は配偶者)の申出をした労働者に対して事業主から個別の制度周知及び休業の取得意向の確認のための措置を講ずることを事業主に義務付ける。
(現行:個別周知の努力義務のみ)

周知事項 ①育児休業・産後パパ育休に関する制度
②育児休業・産後パパ育休の申し出先
③育児休業給付に関すること
④労働者が育児休業・産後パパ育休期間について負担すべき社会保険料の取り扱い
個別周知・意向確認の方法

①面談 ②書面交付 ③FAX ④電子メール等 のいずれか
※①はオンライン面談も可能。 ③④は労働者が希望した場合のみ


・労働者又は配偶者が妊娠又は出産した旨等の申出をしたときに、該当労働者に対し新制度及び現行の育児休業制度等を周知するとともに、これらの制度の取得意向を確認するための措置を義務付け
・周知方法は、面談での制度説明、書面等による制度の情報提供等の複数の選択肢からいずれかを選択することが予定されています。
・取得意向の確認については、育児休業の取得を控えさせるような形での周知及び意向確認を認めないことを指針において示される予定


◇育児休業の分割取得◇
・育児休業(1の休業を除く。)について、分割して2回まで取得することが可能。
・保育所に入所できない等の理由により1歳以降に延長する場合について、開始日を柔軟化することで、各期間の途中でも夫婦交代を可能とする。


◇育児休業の取得の状況の公表の義務付け◇
常時雇用する労働者数が1,000人超の事業主に対し、育児休業の取得の状況について公表を義務付ける。
(現行:プラチナくるみん企業のみ公表)
具体的な内容は、男性の育児休業等の取得率又は育児休業等及び育児目的休暇の取得率が予定されています。


◇有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和◇
有期雇用労働者の育児休業及び介護休業の取得要件のうち「事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者」であることという要件を廃止する。
ただし、労使協定を締結した場合には、無期雇用労働者と同様に、事業主に引き続き雇用された期間が1年未満である労働者を対象から除外することを可能とする。
※「1歳6か月までの間に契約が完了することが明らかでない場合」の要件は、引き続き残ります。


◇育児休業給付に関する所要の規定の整備 【雇用保険法】◇
「男性の育児休業取得促進のための子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設」及び「育児休業の分割取得」の改正を踏まえ、育児休業給付についても所要の規定を整備する。
②出産日のタイミングによって受給要件を満たさなくなるケースを解消するため、被保険者期間の計算の起算点に関する特例を設ける。

【参考】
厚生労働省|育児・介護休業法について
厚生労働省|令和3年改正法の該当等
厚生労働省| (事業主向け)説明資料「育児・介護休業法の改正について~男性の育児休業取得促進
厚生労働省| リーフレット「育児・介護休業法改正ポイントのご案内」
厚生労働省|(中小企業事業主向け)リーフレット「改正育児・介護休業法 対応はお済みですか?」
厚生労働省|育児・介護休業等に関する規則の規定例(令和4年4月1日、10月1日施行対応版) 
厚生労働省|令和3年改正育児・介護休業法に関する Q&A



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