2026年(令和8年)年末調整のポイント・税制改正のまとめ

2026年(令和8年)の年末調整・税制改正情報をまとめました。

 


<1⃣所得税の基礎控除の引上げ>

⑴ 基礎控除の引上げ

● 合計所得金額に応じて、基礎控除額が引き上げられました。

合計所得金額

令和8・9年分における収入が給与だけの場合の収入金額(注3)

基礎控除額(改正された範囲)

改正後(注1)

改正前(注1)

令和8・9年分 

令和10年分以後 

令和8年分 

令和9年分以後

132万円以下 

(206万円以下)

104万円(注2)

99万円(注2)

95万円(注2)

132万円超 336万円以下 

(206万円超 475万1,999 円以下)

62万円

88万円(注2)

58万円

336 万円超 489万円以下 

(475万1,999円超 665万5,556円以下)

68万円(注2)

489万円超 655万円以下 

(665万5,556円超 850万円以下)

67万円(注2)

63万円(注2)

655 万円超 2,350万円以下 

(850万円超 2,545万円以下)

62万円 

58万円

(注)
1:所得税法第86条の規定による基礎控除額62万円(改正前:58万円)に、租税特別措置法第41条の16の2の規定 による加算額を加算した額となります。 
2:62万円にそれぞれ、42万円、5万円、37万円を加算した金額となります。
(改正前:58万円にそれぞれ、37万円、30万円、 10万円、5万円を加算した金額)
なお、この加算は、居住者についてのみ適用があります。
3:下記⑵の改正後の給与所得控除額に基づいた金額であり、特定支出控除や所得金額調整控除の適用がある場合は、表の金額とは異なります。 
4:合計所得金額2,350万円超の場合の基礎控除額に改正はありません。 

 

● 基礎控除額の引上げ及び給与所得控除の最低保障額の引上げに伴い、令和9年分以後の「源泉徴収税額表」が改正されました。

 

⑵ 給与所得控除の最低保障額の引上げ

● 給与所得控除について、65万円の最低保障額が74万円に引き上げられました。

給与等の収入金額

給与所得控除額(改正された範囲)

改正後 

改正前 

令和8・9年分

令和10年分以後

190万円以下

74万円
(注1)

その収入金額×30%+8万円
(69万円未満と
なる場合は、69万円)

65万円

190万円超220万円以下 

その収入金額×30%+8万円

(注)
1 給与所得控除の最低控除額等の特例(租税特別措置法第29条の4)の適用後の給与所得控除額となります。
2 給与等の収入金額が220万円超の場合の給与所得控除額に改正はありません。

 

● 給与所得控除の最低保障額の引上げに伴い、所得税法で定める令和8年分以後の「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」が改正されました。

 

● 令和8・9年分の給与等の収入金額が69万1,000円以上220万円未満である場合には、その給与等に係る給与所得の金額については、上記イ及びロにかかわらず、次の金額とすることとされました。

給与等の
収入金額 

69万1,000円以上
74万1,000円未満

74万1,000円以上
219万1,000円未満

219万1,000円以上
219万3,000円未満

219万3,000円以上
219万6,000円未満

219万6,000円以上
220万円未満

その給与等に係る給与所得の金額 

なし 

その収入金額
-74万円 

145万1,000円

145万3,000円

145万6,000円

 

⑶ 扶養親族等の所得要件の改正

基礎控除額の引上げに伴い、次の表のとおり、扶養控除等の対象となる扶養親族等の所得要件(注1)が改正されました
また、給与所得控除の最低保障額の引上げに伴い、家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例について、必要経費に算入する金額の最低保障額が69万円(改正前:65万円)に引き上げられました。

扶養親族等の区分

所得要件(注1)

令和8・9年分における収入が
給与だけの場合の収入金額(注2)

改正後

改正前

・扶養親族
・同一生計配偶者
・ひとり親の生計を一にする子

62万円以下
(136万円以下)

58万円以下
(123万円以下)

・特定親族 

62万円超123万円以下
(136万円超197万円以下)

58万円超123万円以下
(123万円超188万円以下)

・配偶者特別控除の
 対象となる配偶者 

62万円超133万円以下
(136万円超207万円以下)

58万円超133万円以下
(123万円超201万5,999円以下)

・勤労学生 

89万円以下
(163万円以下)

85万円以下
(150万円以下)

(注)
1 合計所得金額(ひとり親の生計を一にする子については総所得金額等の合計額)の要件をいいます。
2 上記⑵の改正前及び改正後のそれぞれの給与所得控除額に基づいた金額であり、特定支出控除の適用がある場合 には、表の金額とは異なります。

 


<2⃣年齢23歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除の特例>

⑴ 23歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除

新生命保険料に係る一般生命保険料控除について、年齢23歳未満の扶養親族を有する場合の令和8・9年分の一般生命保険料控除の控除額は、次の表のとおり計算することとされました。

年間の新生命保険料 

控除額

30,000 円以下

新生命保険料の全額

30,000円超 60,000円以下

新生命保険料× 1/2 + 15,000円

60,000円超 120,000円以下

新生命保険料× 1/4 + 30,000円

120,000円超

一律 60,000円

 

⑵ 23歳未満の扶養親族を有する場合の令和8・9年分の一般生命保険料控除の適用限度額

旧生命保険料及び上記⑴の適用がある新生命保険料を支払った場合の令和8・9年分の一般生命保険料控除の適用限度額が6万円(改正前:4万円)とされました。

(注) 一般生命保険料控除、介護医療保険料控除及び個人年金保険料控除の合計適用限度額は、改正前と同様の12万円となります。

 


<3⃣税制改正による公的年金等に係る主な改正事項>

1⃣の所得税の基礎控除の引上げ、給与所得控除の最低保障額の引上げおよび扶養親族等の所得要件の改正に関連し、公的年金等に係る改正も決まっております。
年末調整には直接の関連はございませんが、ご確認ください。

 

(1)公的年金等に係る源泉徴収税額の計算における基礎的控除額の引上げ

基礎控除の引上げにともない、公的年金の源泉徴収の対象とならない年金額が、現行の205万円未満から214万円未満に引き上げられました。
65歳未満は現行の155万円未満から164万円未満に引上げとなります。

受給者の年齢 年金額 令和8年12月の精算時 令和8年の各月の年金支払時
65歳以上 242万円以下

公的年金等の月割額×25%+110,000円
(180,000円未満となる場合は、180,000円)

公的年金等の月割額×25%+105,000円
(175,000円未満となる場合は、175,000円)

242万円超

公的年金等の月割額×25%+100,000円
(165,000円未満となる場合は、165,000円)

65歳未満 213万円以下

公的年金等の月割額×25%+110,000円
(140,000円未満となる場合は、140,000円)

公的年金等の月割額×25%+105,000円
(130,000円未満となる場合は、130,000円)

213万円超

公的年金等の月割額×25%+100,000円
(125,000円未満となる場合は、125,000円)

令和8年分の所得税については、令和8年11月の年金支払いまでは改正前の基礎的控除額を用いて源泉徴収が行われ、令和8年12月の年金支払い時に、改正後の所定の基礎的控除額を用いて計算した1年分の税額と、すでに源泉徴収した税額との精算が行われます。
この精算により還付すべき金額が生じる場合は、原則として、その金額が還付されます。

 

(2)扶養親族等の所得要件の改正

基礎控除の引上げにともない、扶養控除等の対象となる扶養親族等の所得要件が62万円に引き上げられました。
令和8年分の所得税において、新たに扶養親族等の要件を満たし、扶養控除等の適用を受ける場合には、原則として、確定申告をする必要があります。

扶養親族等の区分

合計所得金額(改正前)

控除額

配偶者

62万円以下(58万円以下)

38万円:配偶者控除

62万円超95万円以下(58万円超95万円以下)

38万円:配偶者特別控除

扶養親族

62万円以下(58万円以下)

38万円:扶養控除

ひとり親

62万円以下(58万円以下)

35万円:ひとり親控除(※)

特定親族

62万円超85万円以下(58万円超85万円以下)

63万円:特定親族特別控除

※令和9年分以後の所得税について控除額が38万円に引上げられます。
源泉徴収時のひとり親の控除額は令和9年から32,500円/月に引上げられます。(改正前30,000円/月)

 

【参考】
令和8年分 年末調整のしかた|国税庁
令和8年度税制改正による公的年金等に係る主な改正事項|日本年金機構



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