(2023年度版で比較!)複数の年末調整システムを使ってみた

そろそろ今年も年末調整が近づいてきましたね。

2023年の年末調整にて、様々な年末調整システムを扱う機会がありましたので、管理者側として使用してみた率直な感想とシステムへの希望をまとめてみました。
(※すべての機能を把握し使用しているものではなく、あくまでいちユーザーとしての個人的な感想になります。
実際の機能と異なる可能性もございますので、ご不明な点は各システム会社へお問い合わせください。)


【従業員の入力について】

SmartHR

・自社でもSmartHRにて年末調整の申告を行っているが、アンケート形式で丁寧な設問のため、入力誤りが少ないと感じる。
・誤りの多い住宅借入金等特別控除申告書の設問が他システムよりも丁寧のため、あまり悩まず入力ができ、誤りも少ない。

OBC年末調整申告書クラウド

住宅借入金等特別控除申告書の入力はわかりやすそう。

freee

住宅借入金等特別控除申告書は本人が計算した控除額を入力するため、誤入力が起こりやすい。

オフィスステーション

初期値の質問文や補足説明が丁寧ではなく回答を誤りやすい(例.寡婦・ひとり親)。

マネーフォワード

初期値の質問文や補足説明が丁寧ではなく回答を誤りやすい(例.寡婦・ひとり親)。

ジョブカン

・住宅借入金等特別控除申告書は本人が計算した控除額を入力するため、誤入力が起こりやすい。
・初期値の質問文や補足説明が丁寧ではなく回答を誤りやすい(例.寡婦・ひとり親)

 

【管理者のチェックのしやすさ】

<何次チェックまで対応しているか

SmartHR

2次チェック

OBC年末調整申告書クラウド

2次チェック

freee

1次チェック

オフィスステーション

3次チェック

マネーフォワード

1次チェック

ジョブカン

1次チェック

 

<申告書形式でチェックできるか>

SmartHR

画面上で申告書形式でチェックできる

OBC年末調整申告書クラウド

申告書形式でチェックするためにはPDFを出力する必要あり。

freee

申告書形式でチェックするためにはPDFを出力する必要あり。

住宅ローン控除申告書については、申告書形式で出力ができない(紙の申告書で確認する必要あり)

オフィスステーション

申告書形式でチェックするためにはPDFを出力する必要あり。

マネーフォワード

住宅ローン控除申告書については、申告書形式で出力ができない(紙の申告書で確認する必要あり)。

ジョブカン

住宅ローン控除申告書については、申告書形式で出力ができない(紙の申告書で確認する必要あり)。

 

<申告内容と添付書類を並べてチェックできるか>

SmartHR

申告内容と添付書類を一つの画面で並べてチェックできる。

OBC年末調整申告書クラウド

申告内容と添付書類を一つの画面で並べてチェックできる。

freee

添付の証明書を開くとブラウザの別タブで開かれるため、申告内容と一画面でチェックができない。

オフィスステーション

申告内容と添付書類を一つの画面で並べてチェックできる。

マネーフォワード

申告内容と添付書類を一つの画面で並べてチェックできるが、申告内容に重なって表示されるため、やや確認しにくい。

ジョブカン

保険料控除申告書と控除証明書とを並べて確認しにくい(別のウィンドウで表示されてしまう)。

 

<入力内容の訂正のしやすさ>

SmartHR

生命保険の区分について入力誤りがあった場合でも、種別変更(一般⇔介護⇔年金)がスムーズに行え、すでに登録している情報を流用できる。

OBC年末調整申告書クラウド

・生命保険の種別変更はできないため、一般⇔介護等の変更は、新たに登録する必要がある。
・保険料控除額が限度額に達している場合には、管理者側では「保険料控除額が限度額に達しています。保険料はこれ以上入力する必要はありません。」とコメントがでて入力する必要がない。

freee

生命保険の区分について入力誤りがあった場合でも、種別変更(一般⇔介護⇔年金)がスムーズに行え、すでに登録している情報を流用できる。

オフィスステーション

生命保険の区分について入力誤りがあった場合でも、種別変更(一般⇔介護⇔年金)がスムーズに行え、すでに登録している情報を流用できる。

マネーフォワード

生命保険の区分について入力誤りがあった場合でも、種別変更(一般⇔介護⇔年金)がスムーズに行え、すでに登録している情報を流用できる。

ジョブカン

生命保険の区分について入力誤りがあった場合、種別変更(一般⇔介護⇔年金)がスムーズに行えない(新規で入力する必要がある)。

 

<その他・今後システムへ期待すること>

SmartHR

・去年の保険情報を引き継ぐことが可能。
・途中で中断しても、それまでの入力情報が保存されるので、途中から再開できる。
・本人の収入が2,000万円以上の場合の選択肢がないため、改修してもらいたい。
(年末調整対象外でも扶養控除申告書の回収は必要のため、申告書の作成が必要)

OBC年末調整申告書クラウド

・登録済みのデータから本人が変更した箇所には色がついているため、変更点がわかりやすい。
・従業員別のチェックを行う場合、「次の社員へ進む」ボタンしか表示されないため、前の社員へ戻ることができない。また、確認か差し戻しを行わないと次の社員へ進めないため、確認ボタンを押さなくても次の社員へ進めるようにしてもらいたい。
・前職の源泉徴収票の申告がある人のみで抽出ができないため、できるようにしてほしい。

freee

・保険料控除、住宅ローン控除、前職の源泉徴収票がある人の抽出ができないため、できるようにしてほしい。

オフィスステーション

・初期値の質問文や補足説明をもう少し丁寧にしてほしい。
・登録済みのデータから本人が変更した箇所には色がついているため、変更点がわかりやすい。
・去年の保険情報を引き継ぐことが可能。
・給与システムへの取り込み用に、出力項目のテンプレートを作成できる(一から作らないといけないので面倒、翌年には引き継げる)。
・甲欄なのか乙欄なのか非居住者なのか等の区分が出力データに出てこない。

マネーフォワード

・初期値の質問文や補足説明をもう少し丁寧にしてほしい。
・去年の保険情報を引き継ぐことが可能。
・申告内容と添付書類が重なって表示されるため、添付画像の表示領域を小さくしてほしい。
・2次チェック、3次チェックをすることも踏まえて、進捗管理ができるようにしてほしい。

ジョブカン

・UIが初見でどこから何を確認できるのかが分かりにくい。
・回答結果により、出力データの項目数(横軸)が異なる。
(例.源泉徴収票が複数枚の申告があった場合、「源泉1」「源泉2」と増えるため、年によって項目の列配置が違う)。
・一度、「確定(完了)」のステータスにしてしまうと、従業員の回答履歴が確認できない。
・2000万円超で「対象外」のフラグを立てると、回答の収集ができない(扶養控除申告書が作成されない)。
・申告書ごとに、確認・未確認のステータスをつけられない(人ごとでの確認・未確認の管理しかできない)。



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