健康情報等の取扱規程は作成されていますか?

企業は、労働安全衛生法に基づき実施する健康診断の結果や、労働者の健康確保措置の為の活動を通じて、様々な労働者の心身の状態に関する情報を保有しています。

これらの情報は、労働者の健康確保措置の為に有効に活用することが求められる一方で、労働者本人の意図に反して不適正な取扱いが行われた場合、労働者の昇進または異動等において労働者が不利益な取扱いを受ける恐れもあるため、慎重な取扱いが必要となります。

就業規則や社内規定を見直してみて、もし健康情報等の取扱規程がない場合は、直近の法改正等と併せて作成されることをおすすめします!

<常時使用する労働者が50人以上の事業場>

健康情報等に関する取扱規程の原案を作成の上、事業場ごとに設置が義務付けられている衛生委員会又は安全衛生委員会(以下「衛生委員会等」。)において審議することが求められます。

<常時使用する労働者が50人未満の事業場>
衛生委員会等の設置義務はありませんが、安全衛生の委員会、労働者の常会、職場懇談会等の「関係労働者の意見を聴くための機会」を設け、取扱規程について労働者の意見を聴取した上で、策定することがすることが求められます。

なお、取扱規程を検討又は策定する単位については、健康情報等に関する運用の実情を踏まえ、事業場単位ではなく、企業単位とすることも可能です。


<取扱規程で定める9項目>

(1)健康情報等を取り扱う目的及び取扱方法

健康情報等を取り扱う目的は分かりやすく明示し、事業場の業務内容等に応じて「健康確保措置の実施」や「安全配慮義務の履行」の具体的内容を記載することが求められます。

(2)健康情報等を取り扱う者及びその権限並びに取り扱う健康情報等の範囲

「人事に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者」、「産業保健業務従事者」、「管理監督者」及び「人事部門の事務担当者」それぞれが扱うことができる情報の範囲は、衛生委員会等の場で労使関与の下で検討し、事業場の状況に応じて定めることが求められます。

(3)健康情報等を取り扱う目的等の通知方法及び本人の同意取得

健康情報等を収集するに当たって、あらかじめその取り扱う目的を公表しておくか、
情報を取得した際に、速やかにその利用目的を労働者本人に通知し、又は公表しなければなりません。また、利用目的や取扱い方法等について労働者に周知した上で労働者本人の同意を得る必要があります。

(4)健康情報等の適正管理の方法

事業場で扱う各健康情報等について、利用目的に応じて記録媒体・保管方法を定め、適切に管理することが求められます。

(5)健康情報等の開示、訂正等の方法

健康情報等のうち、「保有個人データ」に関しては、労働者からの開示、訂正等に対応することが求められます。

(6)健康情報等の第三者提供の方法

個人データを第三者に提供したときは、以下の事項について、文書、電磁的記録等を用いて記録を作成し、その記録を保存する必要があります。

●労働者本人の同意を得ている旨
●第三者の氏名又は名称、その他の当該第三者を特定できる事項
●個人データによって識別される労働者本人の氏名その他の当該本人を特定できる事項
●個人データの項目

(7)事業承継、組織変更に伴う健康情報等の引継ぎに関する事項

合併、分社化、事業譲渡等により他の事業者から事業を承継することに伴って健康情
報等を取得する場合、安全管理措置を講じた上で、適正な管理の下、情報を引き継ぐ必要があります。

(8)健康情報等の取扱いに関する苦情処理

苦情処理窓口や苦情処理の手順をあらかじめ定めるなど、苦情処理に必要な体制を整えるとともに、労働者が相談を行いやすいよう、苦情を受け付ける窓口の連絡先や手続等について労働者に広く周知する必要があります。

(9)取扱規程の労働者への周知の方法

取扱規程は就業規則やその他の社内規程等により定めるとともに、その内容は労働者へ広く周知し、関係者において適正に運用されるようにする必要があります。


<取扱規程の運用>

取扱規程策定後、次のような取り組みを通じて取扱規程が適切に運用されるよう努める必要があります。

①健康情報等を取り扱う者等の関係者に対する教育、啓発

②取扱規程に基づく各種様式等の作成・周知

③取扱規程の運用状況の把握、見直し


(参考)事業場における労働者の健康情報等の取扱規程を策定するための手引き

 



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