脳・心臓疾患の労災認定基準の改正ポイント

厚生労働省は、脳・心臓疾患の労災認定基準を改正し、「血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準」として9月14日で厚生労働省労働基準局長から都道府県労働局長宛てに通知しました。

(厚生労働省報道発表資料:脳・心臓疾患の労災認定基準を改正しました

働き方の多様化や職場環境の変化に対応するべく、最新の医学的知見を踏まえた「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」で検証などを行い、とりまとめられた報告書を踏まえて改正したものです。

 


これまでの労災認定基準は?

脳・心臓疾患の労災認定は、前回平成13年12月に改正した「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準」に基づいて行われていました。

 

対象疾病は下記の2種類です。

脳血管疾患:脳内出血(脳出血)、くも膜下出血、脳梗塞、高血圧性脳症)
虚血性心疾患等:心筋梗塞、狭心症、心停止(心臓性突然死を含む。)、解離性大動脈瘤

また、下記が認定基準とされていました。

●「長期間の過重業務」「短期間の過重業務」「異常な出来事」により業務の過重性を評価すること
●「長時間の過重業務」について、発症前1か月におおむね100時間または発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月あたり80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できること

前回の改正から約20年が経過する中で、働き方や職場環境も多様化していることから、今回、最新の医学的知見を踏まえた検証が行われました。

 


今回の改正のポイント

1⃣長期間の過重業務評価における、労働時間と労働時間以外の負荷要因の総合評価の明確化

改正前は、発症前1か月におおむね100時間または発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月あたり80時間を超える時間外労働が認められる場合について、業務と発症との関係が強いと評価していました。

改正後は、上記の時間に至らなかった場合も、これに近い時間外労働を行った場合には、「労働時間以外の負荷要因」の状況も十分に考慮したうえで、業務と発症との関係が強いと評価することとなりました。

 

2⃣長期間の過重業務、短期間の過重業務の労働時間以外の負荷要因の見直し

見直しの結果、評価対象として「休日のない連続勤務」「勤務間インターバルが短い勤務」「身体的負荷を伴う業務」等が追加されました。

 

3⃣短期間の過重業務、異常な出来事の業務と発症との関連性「強」と判断できるケースの明確化

発症前おおむね1週間に継続して深夜時間帯に及ぶ時間外労働を行うなど、過度の長時間労働が認められる場合には、関連性が「強」と判断されることが明確化されました。

 

4⃣対象疾病の追加

「重篤な心不全」が新たに追加されました。

 


今後は、この基準に基づいて、迅速・適正な労災補償が行われることとなります。

 

(参考)

脳・心臓疾患の労災認定基準の改正概要

血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準について

脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書

 

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