
<<Question>>
年金を受給している方が、失業給付も受給できるとき、両方受け取ることは可能でしょうか?
<<Answer>>
65歳になるまでの老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金を含みます)や退職共済年金(以下「年金」といいます)は、ハローワークで求職の申込みをしたときは、実際に失業給付を受けたかどうかには関係なく、一定のあいだ加給年金額も含めて年金の全額が支給停止されます。
◇調整の基本的な仕組み◇
年金が支給停止される期間(以下「調整対象期間」といいます)は、求職の申込みをした月の翌月から失業給付の受給期間が経過した月または所定給付日数を受け終わった月までです。
ただし、調整対象期間中に失業給付を受けなかった月分の年金の支払いや、失業給付の受給期間が経過したときの年金の支払い開始は、約3カ月後となります。
◇失業給付と年金との調整の例◇

◇事後精算◇
調整対象期間中に、失業給付を受けた日が1日でもある月は、年金の全額が支給停止されます。
このため、失業給付を受けた日数の合計が同じであっても、月をまたいで失業給付を受けたかどうかの違いにより、年金が支給停止される月数が異なる場合があります。
この場合、失業給付の受給期間が経過した日(または所定給付日数を受け終わった日)以降に調整が行われ、さかのぼって年金が支払われます。これを「事後精算」といいます。
なお、失業給付の受給期間中に、求職活動を行わない旨の申立てを行った場合においても、事後精算(給付制限期間を含む)が行われるのは、失業給付の受給期間が経過した日以降になります。
◇事後精算の仕組み◇
支給停止されていた年金のうち、支払いできる月数(以下「支給停止解除月数」といいます)を次の式で計算します。支給停止解除月数が1カ月以上の場合、その月数分の年金がさかのぼって支払われます。
支給停止解除月数 = 年金停止月数 —失業給付の支給対象となった日数※/30日
(※失業給付の支給対象となった日数を30で割った数に1未満の端数が生じる場合は、その端数を1に切り上げます。)
◇事後精算の例◇

【参考】
日本年金機構|雇用保険の給付を受けると年金が止まります!
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