健康保険の給付には、傷病手当金や出産手当金などがありますが、退職して資格喪失した後も給付は受けられるのでしょうか?
各給付について、退職後に給付を受けるための要件をまとめてみました。
1⃣傷病手当金
次の2点を満たしている場合は、退職後も引き続き残りの期間について傷病手当金を受けることができます。
●被保険者の資格喪失をした日の前日(退職日)までに継続して1年以上の被保険者期間 (健康保険任意継続の被保険者期間を除く)があること。
●資格喪失時に傷病手当金を受けているか、または受ける条件を満たしていること。
※退職日に出勤したときは、継続給付を受ける条件を満たさないために資格喪失後(退職日の翌日)以降の傷病手当金は給付されません。
2⃣出産手当金
次の2点を満たしている場合は、退職後も引き続き、出産手当金の支給を受けることができます。
●被保険者の資格を喪失をした日の前日(退職日)までに継続して1年以上の被保険者期間(健康保険任意継続の被保険者期間を除く)があること。
●資格喪失時に出産手当金を受けているか、または受ける条件を満たしていること。
※退職日に出勤したときは、継続給付を受ける条件を満たさないために資格喪失後(退職日の翌日)以降の出産手当金は給付されません。
3⃣出産育児一時金
次の要件をすべて満たしているときに資格喪失後の給付として出産育児一時金を受けることができます。
●妊娠4ヵ月(85日)以上の出産であること。
●資格喪失日の前日(退職日)までに継続して1年以上被保険者期間(任意継続被保険者期間は除く)があること。
●資格喪失後(退職日の翌日)から6ヵ月以内の出産であること。
※資格喪失後の給付は被保険者であった人の出産が対象となり、被扶養者であった家族の出産は対象外です。
(Q)会社を退職後に出産したが、出産時は夫の加入している健康保険組合等の健康保険の被扶養者になった場合、両方から出産育児一時金の給付は受けられるか?
(A)重複して受給することはできないため、どちらか一方の選択となります。
(Q)会社を退職後に出産したが、出産時は国民健康保険に加入している場合、両方から出産育児一時金の給付は受けられるか?
(A)重複して受給することはできないため、どちらか一方の選択となります。
4⃣埋葬料(費)
次の要件のいずれかに該当している場合に資格喪失後の被保険者の埋葬料(費)の申請ができます。
●被保険者が資格喪失後3ヵ月以内に亡くなったとき。
●被保険者が傷病手当金または出産手当金の資格喪失後の継続給付を受けている期間に亡くなったとき。
●被保険者が傷病手当金または出産手当金の資格喪失後の継続給付を受けなくなった日後3ヵ月以内に亡くなったとき。
※被扶養者であった方が資格喪失後に亡くなった場合は、家族埋葬料は受けられません。
なお、今回は協会けんぽの場合の要件についてまとめました。健康保険組合によっては要件が異なる可能性もありますので、ご加入の健康保険組合へご確認ください。
この記事を書いた