年次有給有給休暇の計画的付与とは、年次有給休暇のうち、5日を超える分については、労使協定を締結することにより、計画的に休暇取得日を割り振ることができる制度のことをいいます。
◇計画的付与制度の活用による効果
当該制度の導入は年次有給休暇の取得促進に有効であると考えられます。当該制度は前もって計画的に休暇取得日を割り振るため、当該制度の導入により労働者はためらいを感じることなく年次有給休暇を取得することができるとも言えます。 また、年5日の年次有給休暇の確実な取得での未取得者を出さないようにするための選択肢としても「計画的付与」は活用できる制度となります。
◇計画的付与制度を導入・運用するため
1⃣計画的付与の対象とすることができる日数とは?
年次有給休暇の日数のうち5日は個人が自由に取得できる日数として必ず残しておかなければなりません。
このため、労使協定による計画的付与の対象となるのは年次有給休暇の日数のうち、5日を超えた部分となります。
例えば、年次有給休暇の付与日数が10日の従業員に対しては5日、20日の従業員に対しては⑮日までを計画的付与の対象とすることができます。
なお、前年度取得されずに次年度に繰り越された日数がある場合には、繰り越された年次有給休暇を含めて5日を超える部分を計画的付与の対象とすることができます。
※10労働日年次有給休暇が付与されていなくても、年次有給休暇が5労働日以上ある方については、計画的付与の対象とすることは可能となります。
2⃣計画的付与の対象とする日はどのように決定できるの?
年次有給休暇の計画的付与制度は、
①企業もしくは事業場全体の休業による一斉付与方法
②班・グループ別の交替制付与方法
③年次有給休暇付与計画表
による個人別付与方法などさまざまな方法で活用されています。
導入に当たっては、このような方法の中から企業、事業場の実態に応じた方法を選択することになります。
①企業もしくは事業場全体の休業による一斉付与方式
企業、事業場全体を一斉に休みにできる、もしくは一斉に休みにした方が効率的な業態については、全従業員に対して同一の日に年次有給休暇を与えるという一斉付与方式の導入が考えられます。製造部門など、操業をストップさせて全従業員を休ませることのできる事業場などでは、このような活用方法が取られることが多いようです。
また、企業、事業場全体を休みにしても顧客に迷惑にならないような時期に、この一斉付与方式を導入するケースが多くなっています。
②班・グループ別の交替制付与方式
企業、事業場で一斉に休みを取ることが難しい業態については、班・グループ別に交替で年次有給休暇を付与する方式の導入が考えられます。
流通・サービス業など、定休日を増やすことが難しい企業、事業場では、このような活用方法が取られることが多くなっています。
③年次有給休暇付与計画表による個人別付与方式
年次有給休暇の計画的付与制度は、個人別に導入することができます。夏季、年末年始、ゴールデンウィークのほか、誕生日や結婚記念日など従業員の個人的な記念日を優先的に充てるケースも多いようです。
年次有給休暇の計画的付与制度|厚生労働省
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