以前、資格取得届の手続きを行う際に、被保険者の方へ確認した基礎年金番号にて申請を行ったのに、届出が返戻され申請が通らず取得手続きがなかなか進まなかったということがありました。
そのときに出会った、「仮基礎年金番号」について、お話したいと思います。
1⃣そもそも年金手帳には何色の手帳があるかご存じですか?
皆さん20歳以上の方、もしくは20歳未満の方でも厚生年金加入者については1冊は年金手帳をお持ちだと思います。現在交付されている年金手帳は青色手帳となりますが、青色以外にも年金手帳があることをご存じでしょうか。
知人などに聞いてみると意外と知られていないので、ご紹介させていただきます。
(1)厚生年金保険被保険者証は、昭和29年5月~昭和49年10月に厚生年金の被保険者資格の取得手続きをおこなった方に発行されているものです。
(2)茶色の手帳は、昭和35年10月~昭和49年10月に国民年金の被保険者資格の取得手続をおこなった方に発行されます。手帳の色はおおむね5年ごとに更新されていたようで、写真のような茶色以外にも、水色、薄橙色などがあるといわれています。
(3) オレンジ色の手帳は、昭和49年11月から平成8年12月までに被保険者資格の取得手続きをおこなった方に発行されています。
(4) 青色の手帳は平成9年1月以降に被保険者資格の取得手続きをおこなった方に発行されます。現在は「日本年金機構」で交付されていますが、平成9年1月から平成21年12月までに発行されたものは、当時の「社会保険庁」となっております。
平成9年1月以前は、資格取得をするごとに基礎年金番号が払い出しされるという取り扱いをしていただきがあり、平成年9年1月以降は、一人一基礎年金番号とするようになったため、複数基礎年金番号をお持ちの方については、以下の「基礎年金番号通知書」が送付されています。手続きが見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
2⃣仮基礎年金番号ってなに?
仮基礎年金番号とは、99で始まる基礎年金番号(仮基礎年金番号)のことをいいます。
基礎年金番号が「99」で始まるものとなる理由は、年金への加入時に年金手帳が事業主へ提示されず、そのために加入届の基礎年金番号が未記入だったことなど、ご本人の基礎年金番号が確認できなかったため新規に基礎年金番号がふられようとしていたが、すでに別に基礎年金番号があり、このままでは基礎年金番号が複数になってしまう可能性があるというような場合です。
確認が取れるまでの間は、正規の基礎年金番号ではなく、「99」で始まる仮の番号(仮基礎年金番号)で記録の管理を行うということになっているようです。
※「99」で始まる基礎年金番号以外に、お名前、生年月日及び性別の3項目が一致する別の基礎年金番号が既に存在することをいいます。この番号がご本人の番号である場合には、この番号と今回の「99」で始まる番号の複数の基礎年金番号をもつことになります。
基礎年金番号が複数となると、記録管理上はそれぞれ別人の記録として取り扱われることとなり、その結果、本来支払う必要のない保険料の支払案内が届くなど、年金に関するご案内が正しく行われない等の問題が発生します。
年金事務所より「基礎年金番号確認のお願い」が送付されてきますので、そちらに回答するもしくは、基礎年金番号の統合の手続きが必要となります。
(参考)
日本年金機構|基礎年金番号・年金手帳について
日本年金機構| 基礎年金番号確認のお願い
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