令和3年9月22日に厚生労働省より公表されました「監督指導による賃金不払残業の是正結果(令和2年度)」について、ご紹介させていただきたいと思います。
◇公表されている是正結果について◇
是正結果の概要については(1企業:100万円以上)でとりまとめられています。
(1) 是正企業数 1,062企業(前年度比 549企業の減)
うち、1,000万円以上の割増賃金を支払ったのは、112企業(前年度比 49企業の減)
(2) 対象労働者数 6万5,395人(同1万3,322人の減)
(3) 支払われた割増賃金合計額 69億8,614万円(同28億5,454万円の減)
(4) 支払われた割増賃金の平均額は、1企業当たり658万円、労働者1人当たり11万円
◇100万円以上の割増賃金の遡及支払状況について◇
主要な業種を上位3業種はこちらになります。
①業種別の企業数(企業数:計1,062企業)
(1) 製造業 215企業:20.2%
(2) 商業 190企業:17.6%
(3) 保健衛生業 125企業:11.8%
1企業あたりの支払われた割増賃金額の平均額は、658万円となっています。
②業種別の対象労働者数(人数:計65,395人)
(1) 製造業 19,786人:30.3%
(2) 保健衛生業 9,614人:14.7%
(3) 接客娯楽業 8,324人:12.7%
労働者1人当たりの支払われた割増賃金額の平均額は、11万円となっています。
③業種別の是正支払額(支払額:計698,614万円)
(1) 製造業 150,364円:21.5%
(2) 教育・研究業 116,452円:16.7%
(3) 保健衛生業 113,004円:16.2%
また、厚生労働省の賃金不払残業の解消のための取り組み事例も紹介がされています。この紹介されている事例の是正前での指導された部分については、まだ、運用として行ってしまっている企業も存在していると思います。
例えば、始業前残業と労働時間の切り捨て、自己申告制の不適切な運用、固定残業代制度の不適切な運用などが挙げられています。心当たりがあるご担当者様につきましては、今回を気に見直すことをお勧めいたします。
また、テレワークなどの働き方の多様性も相まって、適切な労働時間の把握への対応も今後より課題になってくるかと思います。
正しい運用をしていると思っていても、実際、調査をいざ受けるとなった時に予期せず、是正指導を受けることもあります。
では、具体的にどう対応したらいいのか?という点につきましては、当法人にお気軽にご相談ください。
(参考URL)
監督指導による賃金不払残業の是正結果(令和2年度)
100万円以上の割増賃金の遡及支払状況(令和2年度分)
100万円以上の割増賃金の遡及支払状況(過去10年度分)
賃金不払残業の解消のための取組事例
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