失業給付って基本手当だけじゃないの?

失業給付と聞くと、離職後再就職のために求職活動を行っている間に支給される基本手当をイメージされる方が多いかと思いますが、失業等給付の中には求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付、雇用継続給付があり、基本手当は「求職者給付」の中の一つとなります。

今回は、失業等給付の中の「求職者給付」の意外と知られていない中身について、説明していきます!


1⃣基本手当

基本手当は、一般被保険者が離職し、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず職業に就くことができない状態にある場合で、離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して 12 か月以上(特定受給資格者又は特定理由離職者の一部については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可。)あったときに給付を受けることが可能です。

<受給要件>

①ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあること。
したがって、病気やけが、結婚・妊娠・育児等ですぐには就職できないときは、基本手当を受けることができません。

②原則、離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あること。
(特定受給資格者又は特定理由離職者については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可)

<支給額>

基本手当の日額は、原則として離職前6か月の賃金を平均した1日分の45%~ 80%を乗じて得られる額であり、下限額と、年齢区分により上限額が定められています。

「基本手当日額」は原則として離職した日の直前の6か月に毎月決まって支払われた賃金(賞与等は除く)の合計を180で割って算出した金額(賃金日額)のおよそ50~80%(60歳~64歳については45~80%)となっており、賃金の低い方ほど高い率となっています。
(基本手当日額は年齢区分ごとにその上限額が定められています)


2⃣技能習得手当

受給資格者が、ハローワーク(公共職業安定所長)の受講指示により公共職業訓練等を受講している間は、基本手当のほかに技能習得手当(受講手当・通所手当)及び寄宿手当を受給することができます。

①受講手当

受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける場合に支給されます。
支給の対象となるのは、基本手当の支給の対象となる日のうち公共職業訓練等を受けた日です。

<支給額>

受講手当の日額は500円上限額は20,000円

②通所手当

通所手当は、受給資格者の住所又は居所から公共職業訓練等を行う施設へ通所するために交通機関、自動車等を利用する場合に支給されます。

<支給額>

通所手当の月額は最高42,500円


3⃣寄宿手当

寄宿手当は、受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けるために、家族と別居して寄宿する場合に支給されます。

<支給額>

月額10,700円


4⃣傷病手当

受給資格者が、離職後ハローワークに出頭し、求職の申込みをした後において15 日以上引き続いて傷病のため職業に就くことができない状態となった場合、基本手当の日額に相当する額の傷病手当が、所定給付日数の範囲内で支給されます。

<支給額>

基本手当の日額と同額


5⃣高年齢求職者給付金(一時金)

高年齢被保険者が離職し、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず職業に就くことのできない状態にある場合で、離職の日以前1年間のうちに被保険者期間が6か月以上ある場合に、基本手当に代えて、高年齢求職者給付金として一時金が支給されます。
高年齢被保険者とは、65歳以上の被保険者であって、短期雇用特例被保険者や日雇労働被保険者とならない方をいいます。)

<支給額>

被保険者であった期間が1年未満・・・30日分
被保険者であった期間が1年以上・・・50日分


6⃣特例一時金

季節的に雇用されている者等を短期雇用特例被保険者として、一般の被保険者と区別して給付されるものです。一時金制度をとっているのは、これらの短期雇用特例被保険者は一定の期間ごとに就職と離職を繰り返すため、一般の被保険者への求職者給付より一時金制度とすることのほうがその生活実態により即しているためです。

<支給額>

基本手当の 30 日分(当分の間、40 日分)に相当する額


7⃣日雇労働求職者給付金

日雇労働被保険者について、一般被保険者とは異なる制度を設け、日雇労働被保険者が失業した場合には、その雇用形態に即した求職者給付を支給することとしています。
(日雇労働者とは、日々雇い入れられる者及び30日以内の期間を定めて雇い入れられる者のことをいいます。)

<支給額(日額)>

失業した日雇労働被保険者は、失業の日の属する月の前2月において通算して26日分以上の印紙保険料が納付されている場合に、級別貼付状況に応じて、次のとおり決定されます。

・第1級  7,500 円
・第2級  6,200 円
・第3級  4,100 円



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