【令和5年度】産業雇用安定助成金(スキルアップ支援コース)

令和5年度の助成金について、今回は産業雇用安定助成金(スキルアップ支援コース)をご紹介します。

◇目的

労働者のスキルアップを在籍型出向により行い、当該労働者の賃金を5%以上上昇させた出向元事業主に対して助成を行うものであり、企業の事業活動を促進し雇用機会の増大等雇用の安定を図ることを目的としています。


◇対象となる措置

本コースは、下記の「対象となる事業主」に該当する事業主(以下「申請事業主」という)が、次の1の対象労働者に対して、2および3の措置を実施した場合に受給することができます。

1.対象労働者
本コースにおける「対象労働者」は雇用保険の被保険者であって、次の(1)および(2)に該当する労働者です。
(1)期間の定めのない労働契約を締結する労働者
(2)初回の出向を開始する日の前日まで申請事業主に引き続き雇用保険被保険者として雇用された期間が6か月以上である者

2.出向
次の(1)~(12)のすべてに該当する出向を実施する計画(労働者のスキルアップのための計画を含む。以下「計画届」という)を策定し、管轄の労働局またはハローワークへ事前に届け出たうえで、当該計画に基づき出向実施すること

(1)出向先事業所で従事する業務が、次の①から④(労働者派遣事業における適用除外業務)のいずれにも該当しないこと
 ① 港湾運送業務
 ② 建設業務
 ③ 警備業務
 ④ 病院等における医療関係の業務
(2)労働者のスキルアップを目的として行われる出向であって、雇用調整、経営指導・技術指導または人事交流等を目的として行われるもの(※1)ではなく、かつ、労働者を交換しあうものではないこと
※1 例えば、出向元事業所において出向を行う労働者(以下「出向労働者」という)が従事していた業務について、出向先事業所に委託・請負等を行ったうえで、出向労働者が当該業務を出向先事業所において引き続き行うこととなるものなどは本要件に当たると解されます。
(3)労使間の協定によるものであること
(4)出向労働者の同意を得たものであること
(5)出向元事業主と出向先事業主との間で締結された契約によるものであること
(6)出向元事業主と出向先事業主が、資本的・、経済的・組織的関連性等からみて、独立性が認められること
(7)出向期間が1か月以上2年以内であって出向元事業所に復帰するものであること
(8)出向元事業主が出向労働者の賃金の一部または全部を負担していること
(9)出向労働者に出向前に支払っていた額以上の賃金を支払うものであること
(10)出向元事業所から出向先事業所に出向させ、かつ、当該出向先事業所において就労することとなるものであること。また、当該出向労働者について、同一出向期間内で異なる2つ以上の出向先事業所において就労するものでないこと
(11)労働組合等によって出向の実施状況について確認を受けること
(12)出向先事業主が次の①~④のすべてを満たすこと
 ① 出向先事業所が雇用保険適用事業所であること
 ② 出向先事業所ごとの出向期間の開始日の前日から起算して6か月前の日から支給申請を行う支給対象期間の末日までの間で、当該出向労働者の受入れに際し、その雇用する被保険者を事業主都合によって離職(雇用保険制度における喪失原因コード3に該当)させていないこと
 ③ 出向先事業主において、雇用保険被保険者数および当該事業所で受け入れている派遣労働者数による雇用量を示す指標(以下「雇用指標」という)の最近3か月間の月平均値が前年同期に比べ5%を超えかつ6名以上(中小企業事業主の場合は10%を超えかつ4名以上)減少していない
 ④ 本コースの支給対象期間(次の支給額1)において、出向先事業所において自己の労働者について、本コース、産業雇用安定助成金(雇用維持支援コース(出向元事業主の場合に限る))、雇用調整助成金または通年雇用助成金(事業所内就業および事業所外就業、休業、職業訓練)の支給を受けていないこと

3.対象労働者の賃金の引き上げ
対象労働者の出向の復帰後に初めて到来する賃金支払日の属する月以降の6か月間(以下「賃金上昇確認期間」という)の各月に支払われる毎月決まって支払われる賃金を、対象労働者の出向開始日の属する月の前月に支払われた毎月決まって支払われる賃金と比較して、いずれも5%以上上昇させること


◇対象となる事業主

本コースを受給する事業主は、次の1および2を満たすことが必要です。

1.「各雇用関係助成金に共通の要件等」(パンフレット7~10ページ)のAの要件に該当するとともに、Bの要件に該当していないこと
そのうち特に次の点に留意してください。
(1)上記「対象となる措置」の各要件を満たして雇い入れた対象労働者の出勤状況および支払い状況等を明らかにする書類(労働者名簿、賃金台帳、出勤簿等)を整備・保管し、労働局等から提出を求められた場合にそれに応じること

(2)労働局の実地調査等に応じること

2.職業能力開発推進法第12条に規定する職業能力開発推進者を選任していること


◇支給額

1.支給対象期間
(1)本コースは、対象労働者の出向開始日から起算して1年間(以下「支給対象期間」という)を対象として助成が行われます。ただし、出向終了日が出向開始日から起算して1年が経過する日より前である場合は、出向開始日から出向終了日までを支給対象期間とします。

2.支給額
(1)本コースは、企業規模に応じて1人あたり、下表の額が支給されます。

中小企業:助成率 2/3
中小企業以外:助成率1/2

助成額 次の①および②いずれか低い額×助成率
① 出向労働者の出向中の賃金のうち出向元事業主が負担する額
② 出向労働者の出向前の賃金の1/2の額

上限額

8,355円/1人1日あたり

◇受給手続

本コースを受給しようとする事業主は、次の1~2の順に手続きしてください。

1.計画届の提出
出向開始日の前日(可能な場合には2週間前を目途にお願いします)までに、当該期間に係る「出向実施計画届」および「スキルアップ計画」に必要な書類を添えて管轄の労働局へ提出してください。

2.支給申請
対象労働者の「賃金上昇確認期間」の末日の翌日から起算して2か月以内(以下「支給申請期間」という)に、「支給申請書」に必要な書類を添えて、管轄の労働局へ支給申請を行ってください。


【参考】 厚生労働省|令和5年度雇用・労働分野の助成金のご案内



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