有期契約労働者が入社1年未満に育児休業を取得した場合、育児休業給付金は受給できるのか?

1⃣そもそも、有期契約労働者が育児休業を取得できる要件とは?

育児・介護休業法における育児休業の対象者は、原則として1歳に満たない子を養育する男女労働者ですが、有期契約労働者については、「子が1歳6か月に達する日までに、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと」が条件となります。

※「同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること」も要件の一つでしたが、2022年4月1日より撤廃されました。
(無期雇用労働者と同様の取り扱いとなり、引き続き雇用された期間が1年未満の労働者は労使協定の締結により除外することは可能です)

 

2⃣要件を満たしていないと育児休業を取得することはできないのか?

育児・介護休業法における育児休業の要件を満たしていない場合でも、会社独自の制度で、対象となる労働者の範囲をこの法律で示された範囲よりも広し、育児休業を取得させることは差し支えありません。
ただし、法律を上回る部分は「育児・介護休業法」上の育児休業とは認められません。

 

3⃣法律を上回る育児休業を取得した場合、育児休業給付金を受給することはできるのか?

法律を上回る育児休業を取得させることは問題ありませんが、雇用保険育児休業給付金は受給することができるか、疑問に思われると思います。
原則は、育児・介護休業法上の育児休業でなければ、育児休業給付金を受給することはできず、有期雇用労働者に関しては、「子が1歳6か月までの間に労働契約が更新されないことが明らかでない」ことが必要です。

 

4⃣有期契約労働者が入社1年未満に育児休業を取得した場合、育児休業給付金は受給できるのか?

結論、育児・介護休業法の観点としては、育児休業給付金を受給することは可能です。
しかし、雇用保険法上、育児休業を開始した日前2年間に被保険者期間が12か月[※]以上あるという要件が必要となりますので、入社1年未満の場合は前職の雇用保険加入状況を確認する必要があります。
※育児休業開始日の前日から1か月ごとに区切った期間に賃金支払いの基礎となった日数が11日ある月を1か月とします。

なお、育児休業を開始した日前2年間に被保険者期間が12か月ない場合であっても、当該期間中に第1子の育児休業や本人の疾病等がある場合は、受給要件が緩和され、受給要件を満たす場合があります。

 

【参考】
厚生労働省|育児休業や介護休業をすることができる有期雇用労働者について

 



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