
東京労働局より、管下18労働基準監督署における2024の申告事案の概要が公表されました。
◆申告とは
最低労働基準を定めた労働基準法などに違反するとして労働者が労働基準監督署に救済を求めるものであり、労働基準監督署では、労働者の置かれた状況に意を払い、懇切・丁寧な対応に留意しつつ、迅速・的確に処理を行っています。
◆申告事案の概要
①申告受理件数: 4,347件で、前年と比べ345件(8.6%)増加
直近10年間における申告受理件数の推移を見ると、2020年までは、長期的に緩やかな減少傾向を示していましたが、2021年に大きく減少しました。 その後、2022年以降は増加傾向にあります。
申告受理件数を内容別にみると、賃金不払が3,359件(前年比8.6%増)で最も多く、その業種別の内訳は、接客娯楽業(19.1%)、商業(15.9%)、保健衛生業(11.1%)の順となっています。
次いで多いのは、解雇が501件(前年比0.6%増)となっており、その業種別の内訳は、接客娯楽業(23.6%)、商業(18.4%)、保健衛生業(10.8%)の順となっています。
② 申告内容(申告内容別の件数:4,508件) :賃金不払及び解雇の申告件数が増加
⑴ 賃金不払: 3,359件(前年比265件増)
⑵ 解雇 : 501件(前年比3件増)
⑶ 労働時間: 78件(前年比10件増)
※労働者が複数の事項を重複して申告する場合があるため、申告内容別の件数の合計は申告受理件数と一致しません。
◆申告による監督指導事例
監査指導事例がまとめられていましたので、ご紹介します。
定期賃金不払:
退職した労働者から、最終勤務月の賃金が全額支払われないという申告を受け、調査したところ、事業主は労働者の勤務態度を理由に最終勤務月の賃金を全額支払っていなかったため、是正勧告を行った。
労働基準監督官が法律の趣旨を丁寧に説明したところ、事業主が理解をし、未払賃金全額が支払われた。(接客娯楽業)
割増賃金不払:
退職労働者から、時間外労働に対する割増賃金が支払われていないという申告を受け、調査したところ、事業場の労働時間管理が不十分であった。 労働基準監督官が関係資料の提出を求め、その内容を精査したところ、割増賃金の未払が認められた。
厳しい経営状況にあるとする事業主に対し、労働基準監督官が法律の趣旨を丁寧に説明したところ、事業主が理解をし、未払分の割増賃金が全額支払われた。(商業)
解雇:
労働者から、即時解雇されたにもかかわらず、解雇予告手当が支払われないとの申告を受け、調査したところ、事業主は解雇予告手当を支払わず、即日解雇したことを認めた。
労働基準監督官が法律の趣旨を丁寧に説明し、解雇予告手当を支払うよう是正勧告を行った結果、事業主が理解をし、解雇予告手当が全額支払われた。(建設業)
労働時間:
在職中の労働者から、違法な時間外労働が行われているとの申告を受け、調査したところ、事業主は36 協定を締結・届出をしないまま、時間外労働を行わせていることが判明したため、是正勧告を行った。
労働基準監督官が法律の趣旨及び36協定の届出方法を丁寧に説明した結果、事業主が理解をし、36 協定の締結・届出がなされ、協定の範囲内で時間外労働が行われるよう是正された。(保健衛生業)
【参考URL】
東京労働局|東京都内の労働基準監督署における令和6年の申告事案の概要
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